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2021/05/27

紫月有人

四季の移ろいと共にタイルをこよなく愛するタイル人

葉桜に寄せて

 

春は短いもの・・・それは人間のDNAに組み込まれているかの様な感情ですね。

特に日本人が愛してやまない「桜」は春の短さを象徴しています。

ふと気が付くと刹那に咲いて、やがて散り行く潔さには憧れの念さえ覚えます。

 

桜の散り際の頃になると「今年は桜は葉桜になってしまったね・・・」という人がいれば

「桜はやっぱり葉桜の頃が良いのよ・・・」という人もいます。

淡い「桜色」と若さの象徴の様な「緑」が織りなす春の終わりの葉桜の風景には様々な想いが

行き交います。葉桜には、その短い満開の時との清々しい決別を経て、また次代に希望を託す

人間の摂理の様なものを感じます。

葉桜の頃を過ぎてしまえば、すぐに初夏となり、そこに桜が咲いていた事さえ忘れ去られて

季節は過ぎて行きます。

 

昭和の時代には「桜」を愛でた名曲が数多く存在しますが、葉桜の頃を経て、やがて忘れ去られた桜を

歌った名曲も存在します。

 

ー花びらが散ったあとの桜がとても冷たくされるように、誰にでも心の片隅に見せたくはないものがあるよねー

「ささやかなこの人生」 (風)

ー薄日の射す枯木立が桜並木であるのを誰もが忘れていても何も云わず やがて花は咲き誇りかなわぬ

想いを散らし 季節はゆくー「経る時」 (松任谷由実)

 

「あの頃が花だったな・・・」歳を重ねると、時にこんな言葉を口にする人がいます。

また幸せな時を過ごすと、この幸せがいつまで続くか不安になる人もいます。過去の人生は時に眩しく美しく、

幸せな時間に感じる不安は、なす術もなく過ぎ行く時間の中での人間の無力さに対する喪失感からではないでしょうか・・・

人の人生も桜の如く、いつの時代にも満開の時はやって来る。そして葉桜を経て粛々と過ごす忘れ去られた季節は

また満開の時期を迎える為の希望の時間と思いたい。人は生ある限り、いつだって咲けるのだと・・・。

 

タイル業界も満開を謳歌しているとは言えない時期を迎えています。

人材不足と高齢化は製・販・工に渡って深刻な問題です。今は粛々と希望をもって努力を怠らず過ごす時期ではないでしょうか。

タイルに携わる私達もいつだって咲けるのだと。

 

文:紫月有人(しずき ゆうと) 四季の移ろいと共にタイルをこよなく愛するタイル人

 

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